昨年のオペラ『卍』管弦楽版初演に続き、新たな挑戦をします。
コロナ禍とウクライナ侵攻の影響を受けた協奏曲作品群。これらを紹介するにあたり、世界的な名匠たちの力を借りることができることを、喜びとともに報告するとともに、ぜひとも皆様にもご覧いただきたくご案内申し上げます。
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◆演奏曲目について
『オーボエと弦楽合奏のための協奏曲』は、『オーボエ・ソナタ(2015)』の初演者であるベルリン・フィルのオーボイスト、クリストフ・ハルトマン氏からの提案で着手され、新型コロナウイルスが世界に打撃を与えはじめた(父の闘病・死去の時期でもある)2020年5月に完成した。同年中の初演が企図されていたがハルトマン氏のビザが降りず、果たせなかった。今回、2年越しに雪辱を果たす。
『2つのヴァイオリンのための協奏曲』は、本来、この10月に、日宇国交樹立30周年を記念したウクライナでのコンサートで初演される曲目となるはずだった。当初のものとはかなり異なった意図(というより、「願い」というべきか)をもって作曲し、ウクライナが生んだ巨匠オレグ・クリサ氏と、日本ウクライナ芸術協会の代表・澤田智恵氏の(本来、そのコンサートで独奏を務めるはずだった)両名で演奏する。
クリサ氏には、『交響曲第一番(2013)』と同時期に作曲したものの初演の話が流れ機会を逸した『ヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲』も併せて演奏していただけることとなった。また、今公演のための書きおろしとして『2台のピアノのための協奏曲』を作曲し、日本を代表するピアニスト(であり、個人的にも10年近く親交を温めてきた、深く尊敬する音楽家である)花房晴美・花房真美姉妹の独奏により披露する。
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◇西澤健一 協奏曲作品の夕べ(仮称)
◆プログラム
ヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲(2013・管弦楽版初演)
独奏:オレグ・クリサ
オーボエと弦楽合奏のための協奏曲(2020・世界初演)
独奏:クリストフ・ハルトマン(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)
2つのヴァイオリンのための協奏曲(2022)
独奏:オレグ・クリサ、澤田智恵(日本ウクライナ芸術協会代表)
2台のピアノのための協奏曲(2022・世界初演)
独奏:花房晴美、花房真美
作曲・指揮:西澤健一
管弦楽:卍プロジェクト・オーケストラ(コンサートマスター:藤村政芳)
◇日時:2022年10月13日(木)19時開演(18時開場予定)
◇会場:めぐろパーシモンホール 大ホール
※チケット・プレイガイド等その他の情報は後日更新します。