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2021年7月11日日曜日

新作紹介 ヴァイオリンとヴィオラの二重奏曲/蔦の門

二重奏にも様々な形態がありますが、管弦と鍵盤、高音と低音といった対比の利く編成と違って、ヴァイオリンとヴィオラの二重奏はどこか文楽人形の扱いを思わせます。ひとりが右腕を動かし、ひとりが左手を動かして、はじめてひとつのキャラクターが成立するような。旋律と伴奏といった単純な形式には依らず、ときには聴き手に胴体や足…架空の低音を想像させるということ。ある種の不自由さに縛られ、演奏者ももちろん大変でしょうが、作曲家にとっても難儀な編成です。そんなヴァイオリンとヴィオラの二本のみという渋いリサイタルシリーズを毎年企画している荒井章乃さんと三浦克之さんのために新作を書きました。


2021年7月15日(木)19:00開演(18:30開場)
横浜市鶴見区民文化センター サルビアホール
一般¥3,000 学生¥2,000 全席自由

ブルーニ/6つの協奏的二重奏曲第4巻より第3番
西澤健一/ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲(初演)
ヴィラ=ロボス/ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲
モーツァルト/ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲変ロ長調 Kv.424



 先日リハーサルにお邪魔しました。宣伝させられています。

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「おんな酒場放浪記」でもお馴染み、ハーモニカの寺澤ひろみさんがYouTubeで僕の作品『蔦の門』の演奏を公開しています。以下、寺澤さんのコメントから引用。

複音は特に、その不自由さ故に作曲家泣かせの楽器ではありますが、今回のこの作品は、西澤さんの素晴らしい感性で、複音の機能性に即した、且つ音楽性・物語性の高い、機能美とも言うべき楽曲になっています。

5年や10年も前に委嘱されていたら泣いたでしょうね。ですが、楽器や編成の「不自由さ」は作曲家にアイデアを授ける大切な友であると今の僕は心得ています。この作品は、重ねたハーモニカの面を、縦、横、ナナメに楽想が這っていくというイメージから『蔦の門』と名付けました。岡本かの子の小説から勝手に借用したタイトルで、それ以上の意識を(正直に言えば)持っていなかったものの、境界剪画の杵淵三朗さんによる舞台装飾の助けもあって、この作品はたしかに植物的な色合いを持っているのだと知りました。

ある意味、共通したテーマを持つ2つの作品。どちらもお楽しみいただければ幸いです。