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2017年2月14日火曜日

音楽理論的に正しい料理教室(4)煮物

 例えば、服のちいさなほつれなんかを「味」と表現する関西の方をよく見かけます。
 この場合の「あじ」は「↓↑」ではなく「↑↑」で、両方ともにテヌートアクセントがついている。生まれも育ちも東京なのに関西に住むようになって、しまいにこれを言うようになると、ついに魂を売り渡したな、という気持ちになります。揚げ物にレモンを絞れば目を押さえたり。「あっちだとやることが多くて…」やらなきゃいいのに。


 というわけで、味。
 まるで何かの競技人生のようにめんつゆばかりで作っていますが、今日はオーソドックスに煮物。おたま一杯のめんつゆでよろしい。煮物の味を濃くするのは、塩ではなく、砂糖。料理が苦手な方はこれを勘違いしていることがたいへん多い。塩は減七の和音なので、隠し味に使うときりりと締まってちょうど良いですが、使いすぎると台無しです。転調に困っても、できるだけ塩を使わないよう、気をつけましょう。
 
 よって、めんつゆには砂糖またはみりんを足し、気が済むまで煮る。
 干し椎茸の戻し汁などを加えても良し。煮汁が半分以上無くなるまで煮含ませたら、しばらく火を止めて放っておく。煮物の味は冷めるときに染み込みます。「煮えた」という表現は、スリランカあたりだと「冷めた」と言うそうです。ものの本に書いてありました。
 厚揚げ、油揚げなどは、煮る前に熱湯をかけて油抜きすること。こちらのほうが、味付けよりも大事です。煮えた煮物のドミナントが弱かったら、ゆずこしょうでも添えていっしょに食えばよろしい。後ろの炒め物は、茹でたブロッコリーの茎をもやしと玉ねぎとベーコンといっしょにごま油でガーっとやって、酒と鶏ガラスープの素とめんつゆをドーンとやっただけのものです。