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【告知】西澤健一 協奏曲作品の夕べ

 新型コロナウイルスが世界に打撃を与え始めた2020年5月に完成し、初演が延期されていた『オーボエと弦楽合奏のための協奏曲』、日本とウクライナの国交樹立30周年を記念し、2022年10月にウクライナで初演されるはずだった『2つのヴァイオリンのための協奏曲』、今公演のために書き下ろ...

2015年6月8日月曜日

中部大学キャンパス・コンサート プログラムノート


 (アンコール:悲歌~「原民喜の詩による3つの歌曲」より)

 ◎第78回キャンパスコンサート「西澤健一作品展」
 ◇ごあいさつ
 
 本日は「西澤健一作品展」にお越しくださり、まことにありがとうございます。
 今日におけるクラシック音楽の演奏会は、そのほとんどが100年から300年前のヨーロッパで書かれた楽譜を演奏するもので、同国、同時代を生きる(まだかろうじて)若い世代の作家が自ら演奏する場面に立ち会う機会は、それほど多くないでしょう。
 「ひとり燈のもとに文をひろげて見ぬ世の人を友とするぞ、こよなう慰むわざなる(徒然草第十三段)」いにしえの作家を愛するとは素敵なことです。が、彼らの作品があまりに素晴らしいので、彼らもまた生身の人間であったことを、現代の我々はしばしば忘れがちになります。
 中部大学キャンパスコンサート。過去の公演記録を拝見するかぎり、作曲家の個展は僕が初めてのようで、たいへん光栄に思い、また恐縮しております。今日は僕の作品のなかから、ピアノ曲、管楽器のためのソナタと歌曲集を選び、用意しました。昭和53年新宿生まれの、まだ生きている37歳の男が今までに書いてきた音楽を通し、何百年、幾百万という人々が額づいてきた音楽という営みについて思いを巡らせて頂けるなら、これ以上の幸いはありません。