2018年6月19日火曜日

オペラ「卍」再演 5月30日・日本橋公会堂

 去る5月30日。日本橋公会堂にてオペラ「卍」の再演が行われました。


オペラ「卍」全3幕

作曲・脚本 西澤健一
原作 谷崎潤一郎

演出 榊原利彦

キャスト
 徳光光子 新宮由理
 柿内園子 津山恵
 柿内考太郎 横山慎吾
 綿貫栄次郎 岡元敦司

演奏・室内アンサンブル・ラボ
 薄田真希(フルート)
 石井由紀(オーボエ)
 木原亜土(クラリネット)
 木原英土(ホルン)
 三ツ木摩理(ヴァイオリン)
 佐藤茜(ヴァイオリン)
 力久峰子(ヴィオラ)
 榊原糸野(チェロ)
 米丸咲季子(ピアノ)

指揮・佐藤宏充


再演にあたり 西澤健一

 部屋でひとり、この世には実在しない恋人たちの情熱に耳を傾けていた頃、仲間の尽力と聴衆の皆様の声とに支えられ、早くも半年後には再演の日を迎えられることになるだろうとは全く想像しておりませんでした。改めて皆様に感謝を申し上げます。
 この度の再演にあたり新たに得られた才能の力、すなわち、オペラに熟達した佐藤氏の指揮、様々な演劇の技術を網羅する榊原氏の演出によって、私もまだ「卍」の全てを知らずにいたことに思い至りました。私たちの言語で、私たちの手によって、ひとつの舞台を編むとはなんと幸福な営みでしょうか。今日ご覧の皆様方にも(あまり仕合せとは言えない愛憎を描いた物語ですけれども)どうか、その幸せが伝わりますように。

第一幕。光子(新宮由理) と園子(津山恵)の二重唱。

 第二幕の四重唱。左、綿貫(岡元敦司)右、孝太郎(横山慎吾)

第三幕冒頭。孝太郎を誘惑する光子。 

第三幕最後、三人の服毒心中(写真=堀江男二)

2017年12月31日日曜日

年末の御挨拶

今年の僕には四つの大きな出来事がありました。

一点目は芸術現代社から「ブルグミュラー・デスマッチ」を出版したこと。二点目は府中市から目黒区へ引っ越したこと。三点目には、オペラ「卍」を書いて、初演したこと。

もう一点は、ついに煙草を吸わなくなったこと。他の三点は「あり得ること」と思っていましたけど、こればかりは「あり得ないこと」と思い込んでいたもので、大事件です。

とは言え、「あり得ること」の三点にしても、年内の締め切りをほうほうの体で死守してから盛大に発熱して寝込んでいた昨年の大晦日の僕に「来年こんなことがあるよ」と言っても、きっと信じないでしょう。「だいたい脚本は誰が用意してくれるの?」と聞き返すに違いない。

2018年。生誕40周年のメモリアル・イヤー(誰も言わないから自分で言う)がやってくるわけですけど、20代の10年間が幼虫の時代だったとしたら、30代の10年間は蛹の時代だったのかなと、繭の中で変態していく頃合いだったのかなと、ちょうどオペラも変態性欲の話でしたしね。それ関係あれへんな。

例によって方々に多大なるご迷惑をおかけして参りました。各方面へのお返事も例によって滞っています。作曲家の成熟には時間のかかるものと皆様にも諦めていただいて、これから立派な成虫となって、蝶のように舞い蜂のように刺す40代を迎えられるよう、日々研鑽を重ねていく所存です。

皆様、良いお年をお過ごしください。

2017年8月24日木曜日

谷崎潤一郎原作「卍」オペラ化、11月初演

 この度、谷崎潤一郎の傑作として名高い小説「卍」を、西澤健一・作曲によりオペラ化し、11月17日(金)豊洲シビックホールにて初演いたします。出演は、妖艶な美貌を誇る羅紗問屋の娘、徳光光子役に新宮由理(メゾ・ソプラノ)。光子と禁断の関係に落ちる若妻、柿内園子役に津山恵(ソプラノ)。最終的には光子の誘惑に掠め取られてしまう園子の夫、柿内孝太郎役に横山慎吾(テノール)。この3人を破滅に追いやる光子の異性の愛人、綿貫栄次郎役に岡元敦司(バリトン)。ぜひ皆様にもご来場、ご高評いただきたく、以下のとおりご案内申し上げます。

* * *

人を愛することの尊さと愚かしさ、
忠実であり続けることの厳しさと美しさ…
昭和初期の大阪を舞台に、四人の男女が織りなす人間模様。

原作・谷崎潤一郎 オペラ「卍」全三幕


 ストーリー


 弁護士の夫・孝太郎に不満のある妻・園子は、美術学校で出会った美しい羅紗問屋の娘・光子と禁断の関係に落ちる。しかし光子は、一方で異性の愛人・綿貫と関係を断つことが出来ずにいた。綿貫の嫉妬と策謀に翻弄される二人は狂言心中を図るが、妖艶で奔放な光子は孝太郎をも誘惑する。独占欲と猜疑心に苦しむ夫婦は、やがて光子に身も心も支配されていき――四人の男女が織りなす愛憎と破滅を描いた谷崎世界、オペラ化(全三幕)


 ごあいさつ 西澤健一


 谷崎の描いた物語は、根源的であるがゆえに今日的なテーマを持っています。厳しく真面目な芸術作品であると同時に極上のエンターテインメントでもあります。非常にオペラ的な素材であるとかねてより思い続けてきました。私はこの狂おしい恋の物語に十年来恋い焦がれてきたのです。今回、谷崎の残した美しい言葉の数々を音楽化できること、それを強力な音楽仲間たちとともに、ここにお披露目することができるのは大変なよろこびです。蛮勇と分かっていても恋をしなければ生きていけない皆さまに…これからする予定の皆さまにも…是非ご覧いただきたく思います。

* * *

オペラ「卍」全3幕

作曲・西澤健一
原作・谷崎潤一郎

キャスト
徳光光子・新宮由理
柿内園子・津山恵
柿内考太郎・横山慎吾
綿貫栄次郎・岡元敦司

演奏・室内アンサンブル・ラボ
 薄田真希(フルート)
 石井由紀(オーボエ)
 木原亜土(クラリネット)
 木原英土(ホルン)
 三ツ木摩理(ヴァイオリン)
 佐藤茜(ヴァイオリン)
 力久峰子(ヴィオラ)
 榊原糸野(チェロ)
 米丸咲季子(ピアノ)
指揮・西澤健一

2017年11月17日(金)19時開演
豊洲シビックホール

チケット全自由席
前売り 4500円
当日券 5000円

チケットお申し込み・お問い合わせ
gruppobrillante@yahoo.co.jp
03 6421 1206 (スタジオ・フレッシェ)

※追記(2017/11/01)
演出の原純は一身上の都合により降板しました。